題:電子構造のトポロジーに由来した巨大なホール効果を発見 —磁性体におけるトポロジカル電子状態の新奇物質探索と物性機能開拓に道—

URL:http://www.t.u-tokyo.ac.jp/soe/press/setnws_201808031047237105349086.html

https://research-er.jp/articles/view/72989

https://www.nature.com/articles/s41467-018-05530-9

論文掲載先:Nature Communications


論文タイトル: Spontaneous Hall effect in the Weyl semimetal candidate of all-in all outpyrochlore iridate


著者: K. Ueda , R. Kaneko, H. Ishizuka, J. Fujioka, N. Nagaosa, and Y. Tokura 

 

⭐️論文紹介

みなさんこんにちは(´・∀・`)今日は涼しいですね😃秋が近づいているのを感じているたきおんです😎

 

今回は、私の専門となる分野の論文を勉強して行きます。。

〜あらすじ〜

今回の論文でのポイントは、理論で予想されていたワイル半金属の発現を輸送測定と理論計算をすることにより実証した

という事と、

巨大な自発的ホール伝導度

という事ですね❗️

この成果より、今後、トポロジカル電子相の物質探索指針と物性機能開拓に役立たせることができるとあるので、とてもすごい発見であるようです😁😁

 

🎓内容

では、記事と論文を参考にして内容を整理して行きます❗️

今回の主役である、ワイル半金属は理論研究が盛んに行われていますが、物質例が少なく実験が困難であるため、理解が十分に進んでいない。というのがこれまででした。ワイル半金属は、時間反転対称性又は空間反転対称性破れによって生じる非縮退の線形な電子バンドの交差点で特徴づけられます。交差点は、磁束の湧き出しや吸い込みに対応する磁気単極子と見なすことができ、そのため、巨大な異常ホール効果をはじめとした非従来的な磁気輸送現象を引き起こす可能性があり、大きな注目を集めている物質であります。

👉というようなことが書かれてあります❗️ここまでは院試前に勉強していたので、なんとか付いていけてます😅😅

相対論的量子力学という分野ではワイル方程式というものがあります。ワイル点付近の電子の運動がで用いられるワイル方程式で記述できることが、名前の由来となっているそうです。

 

ワイル方程式↓↓

(iħd/dt +iħcΣαid/dxi)ψ=0

これが式です。i=1..3で、行列αの隣のiは下付き、xのとなりのiは上付きとなります🙇‍♂️

 

ホール効果については、高校物理学に出てくる例のやつです!電流が流れている時に、外部磁場が加わると、電位差が電流方向と垂直に生じるというあれです( ´ ▽ ` )ノ一方、異常ホール効果は、”異常”というだけあって、普通のホール効果とはちょっと違い、磁化によって生じるホール効果の事です❗️まあ、ホール効果の一種です( ̄^ ̄)ゞ磁性とは、内部に各電子の回転運動に起因した微小な磁石(👉スピン)が生じさせる物資の性質の一つです。

 

そして、研究チームは、磁性体において実現するワイル半金属状態を輸送測定により観測し、その電子状態のトポロジカルな性質が巨大な”自発的ホール効果”を引き起こすことを明らかにしたようです❗️❗️

 

どんな実験を行ったんでしょう❓❓研究内容を見て見ますか٩( ᐛ )و

 

⭐️研究内容

研究チームは、ワイル半金属として予想されている、パイロクロア型イリジウム酸化物 Nd2Ir2O7と一部 Pr に置換した(Nd0.5Pr0.5)2Ir2O7に着目して研究を行ったそうです❗️この構造は、結晶の対称性を保持しつつ時間反転対称性を破るため、結果として運動量空間中に八つの交差点(👉ワイル点)を持つワイル半金属が実現する可能性があります。

研究グループの先行研究があり、この系においては、温度・外部磁場・圧力を調整することによってさまざまな電子、磁気相が現れることがこれまでに明らかとなっていたようです❗️

 

この研究では、all-in all-out 磁気相にあたる低磁場の振る舞いに着目したそうです。

👉?!??

ちょっとよくわからなくなって来ましたが、続けますΣ(-᷅_-᷄๑)

高い温度領域では自発的ホール伝導度はゼロでしたが、転移温度直下ではゼロ磁場周辺に明らかなヒステリシスが現れています。(引用画像のf)

温度をわずかに下げると自発的ホール効果が急速に抑制され、さらに、圧力を調整し転移温度を変化させたところ、同様のホール効果は磁気転移温度直下にのみ普遍的に現れることが発見されたようです。この特徴的な温度変化から、不純物などによる外因的機構によるものなのではなくて、電子バンド構造に由来する内因的ホール効果と考えたようです❗️

 

この起源についてより知見を得るために、(Nd0.5Pr0.5)2Ir2O7の磁化測定を行ったところ、通常の強磁性体が示す磁化よりも三桁小さい値をとることがわかりました。(!?)立方対称の all-in all-out 磁気構造(👉??)では自発磁化はゼロとなるはずですが、これは、対称性が低下して all-in all-out 磁気構造から磁気モーメントがわずかに傾いたためと考えられているようです(´・∀・`)

 

そして、、わずかな磁化による巨大なホール伝導度の発生は、限られた温度領域でワイル半金属状態が実現し、運動量空間内のワイル点がフェルミ準位付近に現れたためと考えられているようです❗️

実験で得られた磁化の値から傾きを見積もってホール伝導度を計算すると、実験値に近い値を再現することができた❗️という内容ですた(´・∀・`)

 

引用画像↓日本の研究.com

f:id:tachyon89:20180902151254p:image

🌀おわりに🌀

ワイル半金属の発現を実証できて、さらに、運動量空間中の、磁気単極子に対応をするワイル点が、巨大な磁気応答を起こすことを明らかにしていて、とても何やらすごいですねぇ(´・∀・`)こういうall-in all-out 磁気相がよくわりませんが、これにあたる低磁場の振る舞いに着目できることらがポイントなんですかね、、私の研究者への道はまだまだ長そうですΣ(-᷅_-᷄๑)

nature Communicationsにも掲載されているすごい論文です❗️是非ご覧になってみてください💁‍♀️💁‍♀️

 

 

関東は今日は雨ですね☔️猛暑よりはましか…

 

素敵な日曜日を素敵な日曜日を✨

 

バイト行くか、( ̄▽ ̄)